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インサイド・トラップ(06) [小説]

けっこうアッサリと書きつらね、テンポ良く進めていこうと考えていたのですが、
掘り下げたい衝動が強くなってきてしまって、
なかなか前に進んで行きません。

まっ、ゆっくりと付き合ってやってください。
お願いします.....




インサイド・トラップ(06)




意識が遠退いていく。今まで自分だった器(うつわ)が暗黒となり、巨大な空間となっていく。小さな小さな自分、その首には犬神の手、俺には到底立ち向かえる敵ではなかった。
んっ、敵?
なんで敵なんだ?
犬神になにかしたか?
混乱する頭の中で、始めの目的を思い出そうと、必死に考えた。
あっ
そう、俺は和田を連れ戻すために、ここに来たんだ。彼に会うまでは、どんな事があっても死ぬ訳にはいかない。
しかし、犬神の手は、恐ろしく力強い。振り解く前に、身動きもできない。
渾身の力を込めて、犬神の人差し指と親指を、それぞれの手で持ち、引き剥がそうとした。しかし、俺の手は哀しいほど小さく、爪の先を持つのでさえ苦労するほどだった。
手が痺れ気付かぬ内に、両手をだらりと下げていた。諦めにすべてが染まった時、
ズルリ
自分自身から、世界が引き剥がされていく。密度の濃い闇が身体にまとわりつきながらも、後方へと流れ去っていく。
ブルン
とうとうその闇からも引き剥がされてしまった。
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コメント 1

harukamiuadadadadadadadadadadada

気長に、次回作・・・きたいしてまぁ~す^^

頑張って・・・Reeさん^^

はるぃーでした^^
by harukamiuadadadadadadadadadadada (2009-07-12 14:50) 

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